黄疸
身体にビリルビンが過剰にあることで眼球や皮膚といった組織や体液が黄染した状態をいいます。ビリルビンは、赤血球にあるヘモグロビンが壊れてできる黄色い色素で、ビリルビンは血流に乗って肝臓に運ばれ、そこで処理された後に胆汁に排泄されます。 肝臓で処理される前のビリルビンを間接ビリルビン(I-Bil)、処理された後のビリルビンを直接ビリルビン(D-Bil)といい、両方をあわせたものを総ビリルビン(T-Bil)と呼びます。
黄疸の鑑別診断・分類
まず、肝臓自体で障害が及んだ場合はD-Bilが高くなります。ALPなどの胆道系酵素も上昇している場合は、胆管付近の障害を考えて、胆石や胆管炎、胆管がん、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎などを鑑別します。肝機能も高い場合は、肝炎や肝硬変、肝細胞がんなどでもみられることがあります。
I-Bilが高い場合は、溶血性貧血や体質性黄疸で多いGilbert 症候群の可能性を考えます。
I-Bilが高い場合は、溶血性貧血や体質性黄疸で多いGilbert 症候群の可能性を考えます。
黄疸の診断方法・検査
眼球結膜の黄染が先に見られます。もともとの黄疸の定義が「ビリルビン値≧3.0 mg/dL」とするように、ビリルビン値 3.0mg/dLでは眼球所見が確実にあると言えます。皮膚黄染は見つけにくいこともあり、7.0mg/dL以上にならないとわからないケースもあります。また、尿が濃くなることで気づくこともあります。
採血では、一般項目ではT-Bilしか測定していません。他の採血項目とあわせて考え、必要があれば分画であるD-BilとI-Bilも調べます。
肝、胆道系疾患の鑑別にはエコー検査も重要です。