機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)

機能性ディスペプシア
(機能性胃腸症)

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症) 機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia: FD)は機能性胃腸症とも言われ、胃もたれ、早期満腹感、胃の痛みといった胃の症状が一時的でなく慢性的に起こっていて、胃カメラなどで異常が見られない病気です。ディスペプシアとは、消化不良を意味するギリシャ語が語源です。生命予後に影響のない疾患ですが生活の質(QOL)に影響するため、適切な治療を必要とします。

機能性ディスペプシア
(機能性胃腸症)の
診断方法・検査

 診断は2016年に発表された国際的な診断基準であるRomeⅣ基準に従って、機能性ディスペプシアは症状の原因となりそうな器質的な疾患がないにもかかわらず、胃・十二指腸領域由来と考えられる4つの症状、すなわち、心窩部痛(みぞおち辺りの痛み)、心窩部灼熱感(みぞおち辺りの焼ける感じ)、食後の胃もたれ、早期飽満感(食事開始後すぐに胃が充満した感じとなり、食事を最後まで摂取できない状態)のうち、1つ以上の症状があること、これらの症状は辛いと感じるものであること、すなわち、生活に影響するものであること。さらにその症状は6か月以上前から出現し、週に数回程度、症状があることが3か月は持続する状態と定義されています
 機能性ディスペプシアの原因は不明で、ストレスや消化管運動異常、知覚過敏等が原因と考えられています。最近、ピロリ菌の除菌によって前述の症状が改善する場合はピロリ菌関連ディスペプシアとして区別されています。

機能性ディスペプシア
(機能性胃腸症)の治療

機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)の治療 胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプインヒビター(PPI)や消化管蠕動改善薬(ガスモチン)、漢方(六君子湯)などを内服また、内視鏡やバリウム検査を施行し器質的な疾患がないことを証明していることを条件に、胃の膨満感を訴える機能性ディスペプシアの方にアコチアミド(アコファイド)の投与が有効です。また、ピロリ菌陽性の場合は、ピロリ菌関連ディスペプシアを考慮し、ピロリ菌除菌療法を行います。