アートスペース”絆”、
ようが健幸教室

医療者を通して 
アートと医療の融合

 アートと医療の関係、特に病いに悩む患者や家族に対し、癒しや心の支えになる為の活動が徐々に浸透し、医師では提供仕切れない患者の感情や倫理的な心情に寄り添う力をアートに委ねる動きがあります。素晴らしい活動で感心が高いですが、真の"アートと医療の融合"を考えた場合、提供する医療者側の視点にも立つ必要があると考えます。
 コロナの長期化により現場の最前線では医療従事者が奮闘しました。未曾有の闘いに日々悩まされ、翻弄された人も多いと思います。自分の信念、ポリシー、育まれたバランス感覚を今一度見つめ直す時が必要であると考えます。
 命を扱う仕事は、様々なストレス環境下で、独りよがりにならないバランス感覚が大切です。特に、自身の体調や心の乱れで患者に不利益をもたらすことは許されず、当直明けの勤務の時などは、学生時代に培った体力を頼りに、乗り越えてきた場面も多かったです。但し、年々体力の衰えは痛感しており、それを補えるものは何なのか、自問自答してきました。患者が来院して、ドアを開けて入室する姿から、医師はどこまで感じ取れるか。仕草や足音、歩き方、座ってからの表情から、感じ取る直感を大切にしてきました。五感を研ぎ澄まし、ニュートラルな状態から自分の五感に問いかける。こうした感覚を養うことが、恒常性のある的確な判断に結び付くと感じています。
 アートの世界に身を置くと、表現者や表現物によって人の気持ちや心が動かされる作品に遭遇します。同じ作品を見ていてもその人の個性から思い描く感覚も違い、そこから得た自由な発想が許されます。絵画をみて自分が何を感じているのか、音楽から何を感じ取れるのか。患者がドアを開けて入室する時に感じ取る感覚と通じるものがあるように思えてなりません。
 医療者を通した、アートと医療の関係。まだ漠然として答えを持ち合わせていませんが、そこには医療従事者の心のバランス感覚やニュートラルな心理状態を維持する力があり、結果、その好循環が患者にももたらされていくように思います。アートと医療を融合する時代の到来、アートの力を借りて、感性を豊かにして新しい医療の未来を切り開いていきたいと考えています。

アートスペース”絆”

受付前の壁面を利用して、アートスペースを設置します。アートと医療が融合し、患者さんと医療者の強い絆で繋がることを期待して、アートスペース”絆”と称しました。是非、皆様の作品で、展示にご興味がある方はお声掛けください。絵画や写真など、無償で展示できます。(但し、営利、政治、宗教活動を目的とした作品、その他、当院が不適当と認める作品はお断りすることもあります。ご了承ください)

ようが健幸教室

幅広いクリニック診療を細かく理解してもらい、共に歩んでいくためには患者さんへの情報共有と、何よりも患者さんの治療に向かう力が大切だと考えています。年に数回、教室を開催し、生活習慣病をかかえる患者さんやご家族の方などを対象に、限られた診療時間内ではお伝えしにくいような基礎知識や生活上の注意点、検査データの見方や最新トピックを情報提供いたします。無料でどなたでも参加可能ですので、是非参加いただき日常生活にお役立てください。(当ホームページにて詳細な日程はお知らせいたします。)
また、開催日に見れなかった方から、後日でも見れるようにしてほしいという意見を多くいただきました。クリニックの待ち時間に見れるような形で、当日の内容を受付横の二次元バーコードでお知らせいたします。多くの独自データを含んでいることもあり、まずはこうした体制を取らせていただくことにご理解いただけたら幸いです。