町内会ラジオ体操 ラジオ体操の真髄
今年も町内会のラジオ体操に、全出席とはいきませんでしたが子供と毎朝参加しました。ここで、私が拘りを持ち続けた"ラジオ体操"について語ります。
ラジオ体操は1928年、昭和天皇の即位記念事業の一環として"国民保険体操"として開始されました。近代文明の発展に伴い、身体を使う作業や労働が減り、健康が損なわれる可能性があり、短時間に簡便な方法で取り組めるラジオ体操が考案されました。今のメタボ・ロコモ予防の先駆けとして、私もこの"ラジオ体操"の重要性を以前から指摘しています。
太平洋戦争後1946年、ラジオ体操はGHQ(連合国最高司令官総司令部)により廃止されました。その理由は、曲に合わせて一斉に行う体操が全体主義的だと見なされた為と伝わっています。その後、NHKが主導し、文部省(現:文部科学省)等が、号令なしで気持ち良くできる体操を広げようと作った2代目ラジオ体操の放送を同年4月から開始しました。 戦後の混乱で放送時間が不安定であり、一度に3種類の複雑な動きの体操が披露されたことに加え、専門的であったため、全国への普及が進まず、1947年(昭和22年)8月に終了しました。(この2代目ラジオ体操のうちの第3番目の体操が"幻のラジオ体操第3"と言われています)
その後、国民からの後押しもあり、1951年、姿勢と呼吸を重視し、老若男女の疲労回復や美容効果を期待して現行のラジオ体操第一が復活しました。1952年に、職場向けの青壮年層に働く上での筋肉を意識する形でラジオ体操第二が作られました。
こうした歴史を考えると、第一や第二の違い、筋肉を意識して、左右対称に関節を最大限に伸ばして体操を行うことなど、先代の知恵が濃縮されているように感じます。特に私が最近注目しているのは、幻のラジオ体操第3です。終戦後1年半だけ放送された体操で、心拍数を徐々に上げるプログラムから成り、下肢の筋力強化を中心としたやや激しい動きです。こうした動きは、巣篭り気味にあるアフターコロナ時代のメタボ・ロコモ対策には、室内での活動性を高める上でも有効であると考えます。是非、ようが健康教室でも、この話題を提供したいと考えています。