桜の季節 大和魂
2024.04.04
今年は桜は遅咲きで4月での満開は7年ぶりになります。2月の下旬から3月の上旬に 気温がかなり低くなったことが原因のようです。今年も、千鳥ケ淵の桜を見に行きました。桜のピンクは、心を穏やかにさせ、緊張を和らげ、思いやりをもたらす効果があると考えられています。武道館では入学式をあげられた方、そのご家族の姿がありました。ここ、千鳥ヶ淵は、太平洋戦争戦没者の、遺族に引き渡すことができなった遺骨が眠っている場所とされ、また近くには靖国神社があります。 桜の開花は、農民にとって田植えの合図となり、秋の収穫によって神に感謝したのち、神は山へ帰っていく、と考えられていました。百人一首のなかで”花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に(小野小町)”と謳われているように、散る桜に注目されるようになり、大和魂や武士道、そして”同期の桜”などで日本人の心と強く結びついてきたように思います。
毎年この時期になると、2013年に鹿児島の学会の合間で訪れた知覧特攻平和会館の事を思い出します。若者がお国の為としながらも、家族との別れや婚約者との別れなど、遺書として数多くの文書が残されていました。なでしこ隊が桜の枝を振って見送る写真は、心中察するにいたたまりなく、胸が苦しくなりました。私が訪れたのも、桜が散る季節だった為、一人で訪れた私は、桜吹雪の中、涙が止まらなくなった思い出があります。2020年に我が子を連れて再度訪問し、惨状を伝えました。
桜の花は、その木の全部の花が咲ききるまで待ち、最後は一斉に散りゆく。そんな表現がなされ、桜は日本人の一部になったのでしょう。