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位相角は筋肉の質を表す

   当クリニックは、メタボとロコモを同時予防する日本初のクリニックです。体成分組成計である2024年3月に発売したばかりのInBodyを導入し、生活習慣病や脂肪肝患者に対して無償で毎診察時に測定し、データを提供しています。
 基礎代謝や骨格筋の状態をみる場合、量と質を評価する必要があり、特にサルコペニアでも言われているように、量以上に質を評価することが非常に重要です。筋肉の質、つまり、脂がのった筋肉では焼き肉で食べるのには美味ですが、機能や筋肉の性状から考えると好ましくありません。
 では、この筋肉の質をいかに評価するかが問題です。当院では、握力測定をして右手2回、左手2回の計4回からその最高値を握力として記録しています。握力で腕の力だけ見ていて意味あるのか、と思われる方もいるかもしれませんが、実は握力値、腕に限らず、全身の筋肉の量と相関すると考えられています。握力を握るときに、手のひらの力だけではなく腕の力も必要とし、安定した姿勢をとるために、足の指や太ももの筋肉、体幹なども使います。ですので、測定は必ず肩幅に足を開き直立して行います。速筋繊維が多い部分で老化スピードを予測することもできます。
 当院が注目しているもう一つの項目がInBodyで測定できる位相角です。栄養状態や細胞レベルの予後に相関すると考えられている位相角を、身体部位別に測定できるInBody を国内最早で導入したのもそのためです。この位相角は、近年、骨格筋の質を示す指標として注目されおり、角度が大きいほど健常な細胞であることを示しております。体幹部は四肢と比べ高く出る傾向にありますが、四肢の位相角が4.5以下の場合は注意が必要です。筋肉のパフォーマンスの状態を鋭敏に捉えることが可能で、トレーニングによって位相角は改善します。(値が高くなっていく)
 是非、InBodyの位相角や握力測定を通じて、運動療法や健康維持のモチベーション向上に繋げてください。